診察を受け、一通りの検査もして、特に大きな問題は見つからなかった。
最後に医師から、「何かあったら、また来てください」と言われて診察終了。
でも、診察室を出てからふと思いませんか。
「……その『何か』って、何だ?」
今回は番外編として、私が診察の最後によく患者さんにお話ししていることを書いてみます。
「今日は調子が悪い」と「病気」は同じではありません
人間ですから、毎日まったく同じ体調というわけにはいきません。
今日は少し息苦しい。なんとなく胸が重い。いつもより疲れる。少しふらっとする。
こうした症状があると、「何か病気なのでは?」と心配になるのは当然です。
でも、私は患者さんの訴えが「調子が悪いためにみられる訴え」なのか、「病気による訴え」なのか、まずそこを考えます。
では、どうやって見分けるか。
自分の体調を測る「ものさし」を持つ
「定期的に体を動かす習慣を一つ作ってください」
とお話しします。
週に1回ジムへ行くでもいい。水中ウォーキングでもいい。毎日20分歩くでもいい。
大切なのは、同じ程度の運動を定期的に続けることです。
これが、自分の体調を測る一つの「ものさし」になります。
たとえば月曜日に、なんとなく胸が重かったとします。
でも、その週末にいつものウォーキングをして、いつも通り歩けた。症状も悪くならなかった。
そうであれば、
「ああ、月曜日はちょっと調子が悪かったんだな」
と考えてよいことが多いでしょう。


逆に、これまで普通にできていた運動でその症状が出るようになった。以前より明らかにひどくなった。
あるいは途中で休まなければならなくなった。
こうなると、病気が隠れている可能性は高くなります。
では、悪い箇所はどこか。
運動は心臓だけで行うものではありません。肺も、筋肉も、関節も、神経も、脳も使います。
つまり、いつもできていた運動ができなくなったということは、これらのどこかに「エラー」が起きている可能性を示すサインになります。
だからこそ、「いつも通り体を動かせる」ということは、自分の体調を判断するうえで、とてもわかりやすい目安になるのです。
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「病気」にはある程度のルールがあります
もちろん例外はありますが、病気による症状にはいくつか特徴があります。
私が特に気にするのは、
- 放っておくとだんだん悪くなる
- 同じ症状を繰り返す
- その人の普段の生活を邪魔する
ということです。
では、「普段の生活を邪魔する」とは何でしょう。
私は4つを目安にしています。
- その症状のために仕事や家事ができなくなる。
- その症状のために食べられなくなる。
- その症状のために眠れなくなる。
- その症状のために排泄に支障が出る。
この4つができていたら元気と思えませんか?
私はこれを元気4原則と呼んでいます。
このどれかが損なわれてくると、単なる「今日は調子が悪い」ではなく、病気が隠れていないかをもう一度考える必要があります。


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では、「何かあったら」の「何か」とは?
つまり「ナニカ」とは、
「いつもの運動ができなくなった」
あるいは、
「仕事・家事、食事、睡眠、排泄という普段の生活が損なわれた」
という変化です。
そうなったら、心臓、肺、筋肉、関節、神経、脳など、体のどこかに「エラー」が起きている可能性を考え、医師に相談する一つの目安になります。
一度検査を受けて「問題ありません」と言われても、その後、体調が少し悪い日までゼロになるわけではありません。
そんなとき、
「症状がある=病気」
と考える必要はありません。
自分の普段の生活と、いつもの運動を「ものさし」にしてみてください。
そして週末、いつものように歩けたなら、
「あのときは、ちょっと調子が悪かったんだな」
そう考えてよいことも、実はかなり多いのです。
一方で、これまでできていた運動ができなくなった。症状を繰り返す。だんだん悪化している。普段の生活に支障が出てきた。
それこそが、
「何かあったら、また来てください」
の「何か」なのです。
ただし、これは別です
最後に一つだけ。
突然の強い胸痛、安静にしていても続く強い息苦しさ、失神、冷や汗を伴う胸部症状など、明らかに「いつもと違う」強い症状が出た場合は、週末まで待って運動で確かめる話ではありません。
その場合は、速やかに医療機関を受診してください。
「調子が悪い」と「病気」を自分なりに見分けるものさしを持つこと。
そして、そのものさしから明らかに外れたときには、きちんと医療機関を受診すること。
私が診察室でお伝えしたいのは、そういうことなのです。
東京ハートリズムクリニックは、不整脈を専門に診療を行う循環器内科です。
「自分の体調のものさし」で違和感を覚えたときや、「いつもと違う不調が続いて心配」というときは、どうぞ無理をなさらず、お気軽に当院までご相談ください。

