日頃、皆さまから多くお寄せいただくご質問について、YouTube動画内でシリーズとしてお答えしています。
今回は『一生やめられない?専門医が教える「自己判断で薬を止めるリスク」と根本治療法』について解説します。
本編は以下のYouTube動画でご覧いただけます。
不整脈の薬の種類と基本的な役割
Q. 不整脈の薬は、一度飲み始めると一生やめられないのでしょうか?
Q. 不整脈の薬は、一度飲み始めると一生やめられないのでしょうか?
A. 一概に「一生やめられない」というわけではありませんが、お薬の種類や症状の経過によって飲み続けるケースが多くなります。
不整脈の治療薬は、大きく分けて2つの種類に分類して考える必要があります。
A. 一概に「一生やめられない」というわけではありませんが、お薬の種類や症状の経過によって飲み続けるケースが多くなります。
不整脈の治療薬は、大きく分けて2つの種類に分類して考える必要があります。
【不整脈の治療薬】
- 抗不整脈薬(こうふせいみゃくやく)
心臓の不整脈による動悸や胸の苦しさといった辛い症状を抑え込むための「症状緩和」を目的としたお薬です。一時的な症状で自然に治まった場合は減薬・中止できることもありますが、やめると症状が再発(再燃)することが多いため、結果的に継続して服用するパターンが多くなります。 - 抗凝固薬(こうぎょうこやく:血液をサラサラにする薬)
心房細動(しんぼうさいどう:心臓の部屋が細かく震え、血栓ができやすくなる不整脈)などの際、心臓の中に血栓(血の塊)ができるのを未然に防ぎ、脳梗塞などのリスクを低減するためのお薬です。心房細動の病態が残っている限り、予防のために飲み続ける必要があります。


無症状の心房細動と根本治療・生活習慣の改善
Q. 症状がない「心房細動」の場合、薬の治療はどのように行うのですか?
Q. 症状がない「心房細動」の場合、薬の治療はどのように行うのですか?
A. 症状の有無にかかわらず、抱えるリスクは変わりません。
そのため、無症状であっても脳梗塞予防の抗凝固薬は継続する必要があります。
実は、心房細動の患者さんの約30%は自覚症状がないといわれています。
しかし、症状がない場合でも、放置すると以下のような深刻なリスクを抱え続けることになります。
A. 症状の有無にかかわらず、抱えるリスクは変わりません。
そのため、無症状であっても脳梗塞予防の抗凝固薬は継続する必要があります。
実は、心房細動の患者さんの約30%は自覚症状がないといわれています。
しかし、症状がない場合でも、放置すると以下のような深刻なリスクを抱え続けることになります。
- 脳梗塞(のうこうそく)のリスク
心臓内でできた血栓が脳の血管に飛んで詰まる「脳血栓症・脳塞栓症」を引き起こす危険性があります。
心房細動は脳梗塞のリスクを約5倍高めるといわれています。 - 心不全(しんふぜん)のリスク
心臓のポンプ機能が低下し、全身に必要な血液を送り出せなくなるリスクを長期的に抱えることになります。
お薬だけで心不全リスクを含め長期的な管理を行うのは限界がある場合もあるため、心臓の脈を正常な状態へ近づける治療が重要な選択肢となります。
お薬だけで心不全リスクを含め長期的な管理を行うのは限界がある場合もあるため、心臓の脈を正常な状態へ近づける治療が重要な選択肢となります。
- カテーテルアブレーション
細い管(カテーテル)を心臓に入れて不整脈の原因となる部位を治療し、根本的な改善を目指す治療法です。薬物治療に比べて高い有効性が報告されており、心房細動を根治へ導くための主要な選択肢となります。


Q. 心房細動の発症・再発を予防するために、生活習慣で改善できることはありますか?
Q. 心房細動の発症・再発を予防するために、生活習慣で改善できることはありますか?
A. 心房細動の発症・悪化に関わる「3大要因」のうち、ご自身で管理できる高血圧の改善とアルコールの適切な管理が非常に重要です。
心房細動の発症には以下の3大要因が関係しています。
A. 心房細動の発症・悪化に関わる「3大要因」のうち、ご自身で管理できる高血圧の改善とアルコールの適切な管理が非常に重要です。
心房細動の発症には以下の3大要因が関係しています。
【3大要因】
- 加齢(年齢)
加齢は避けられない要因です。
80歳以上では約10%(10人に1人)が心房細動を持っていると言われています。 - 高血圧・心臓病
日頃の血圧管理が不可欠です。適切なセルフケアと治療でリスクを軽減できます。 - アルコール
お酒の飲み過ぎは不整脈を引き起こす大きな要因です。
飲酒量は「ほどほど」を心がけましょう。


薬を自己判断でやめるリスク
Q. 症状がなくても、自己判断で薬をやめてはいけない理由は何ですか?
Q. 症状がなくても、自己判断で薬をやめてはいけない理由は何ですか?
A. 自覚症状がないと「薬を飲むありがたみ」を感じにくく、途中で服用をやめてしまう方がいらっしゃいます。
しかし、自己判断で服用をストップすると、脳梗塞やその他の血栓塞栓症(けっせんそくせんしょう)を発症するリスクが一気に高まり、命に関わる事態につながる危険があります。
抗不整脈薬をやめた場合は動悸などの辛い症状が再発し、抗凝固薬をやめた場合は無症状のまま脳梗塞を起こしてしまう危険があります。
必ず医師の指導のもとで継続・調節を行うことが大切です。
A. 自覚症状がないと「薬を飲むありがたみ」を感じにくく、途中で服用をやめてしまう方がいらっしゃいます。
しかし、自己判断で服用をストップすると、脳梗塞やその他の血栓塞栓症(けっせんそくせんしょう)を発症するリスクが一気に高まり、命に関わる事態につながる危険があります。
抗不整脈薬をやめた場合は動悸などの辛い症状が再発し、抗凝固薬をやめた場合は無症状のまま脳梗塞を起こしてしまう危険があります。
必ず医師の指導のもとで継続・調節を行うことが大切です。
まとめ
今回のトピックのポイントをおさらいしましょう。
今回のトピックのポイントをおさらいしましょう。
- 不整脈の薬は2種類
症状を抑える「抗不整脈薬」と、脳梗塞を防ぐ「血液をサラサラにする薬(抗凝固薬)」があります。 - 自己判断の中断は厳禁
症状がなくても、自己判断でお薬をやめると脳梗塞や症状再発のリスクが高まります。 - 根本的な改善を目指す治療と今後の見通し
心房細動の根治を目指す選択肢として「カテーテルアブレーション」があります。


クリニックからのメッセージ
不整脈の治療において、お薬の服用もカテーテルアブレーション治療も非常に重要です。
薬をやめられるかどうか、あるいは減らしていけるかどうかは、カテーテルアブレーションなどで原因部位への治療を行い、不整脈の経過が良好かを私たち専門医が定期的に診断した上で、患者さんとしっかり話し合いながら決定していきます。
「症状がないから」「もう大丈夫そうだから」とご自身だけで判断せず、気になることやお悩みがありましたら、どうぞお気軽に当院へご相談ください。皆さまの安心と健康を心よりサポートいたします。
当院は不整脈診療に特化し、専門的な検査・治療から術後のサポートまで一貫して対応しています。不整脈に関する不安や症状がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。
東京ハートリズムクリニックのYouTubeチャンネルでは、不整脈に関する正しい知識と治療情報を、専門医がわかりやすくお届けしております。
ご興味のある方は、下記リンクよりぜひご覧ください。
※本ページは一般的な情報提供を目的としており、個別の診断や治療を示すものではありません。
症状のある方は医療機関にご相談ください。
※ご紹介した治療法には、以下のようなリスクを伴う場合があります。
詳細につきましては、診察時にご相談ください。
・薬物療法:出血しやすくなるといった副作用
・カテーテルアブレーション: 出血、心タンポナーデなどの合併症リスク
また、1度の治療で完治せず再発する場合もあります。

