カテーテルアブレーション治療を受けるかどうかは、カテーテルアブレーション治療を受けた際に、得られるメリットとデメリットを天秤にかけて決めます。
カテーテルアブレーションのメリットとデメリット
カテーテルアブレーション治療の対象が心房細動の場合ならば、得られるメリットとデメリットは次のようになると考えます。
メリット
- 心房細動から解放されて不快な症状が消失する
- 心房細動にともなう脳梗塞を起こす危険性が減る
- 心房細動による心不全を起こす可能性が減る
デメリット
- 手術による合併症が発症する可能性がある
医師は成功率を考慮した上で、利益と不利益を天秤にかけて、カテーテルアブレーション治療を実施した方がその患者さんに得だと判断すれば、手術を勧めるし、得にならないと判断すれば、手術を勧めません。
担当医師のよくある対応
しかし、最近、担当医師が、自分の見解を話してくれないので、当院に相談にくる患者さんが多くなっています。
担当医「手術をしますか。されるようならば、私が手術をします」
患者 「先生の意見を聞かせてください。私は手術した方が良いのですか」
担当医「それはご自身で判断してください」
患者 「自分で判断できないので、尋ねているのです」
担当医「私の判断を言うのは差し控えます。ご自身で考えてください」
上記のような押し問答を繰り返した後に当院へ相談にこられます。
医師が自分で手術の是非の判断を下さないのは、最終的な責任を負いたくないからだと思います。手術をして成功しなかった場合、もしくは何か合併症が起きた時に、「医師から勧められた手術を受けたのに、上手くいかなかった、合併症を引き起こした。」と言われたくないのです。
医師としてあるべき姿
同じ医師として、前述した「最終的な責任を負いたくない」という気持ちも分からないことはありませんが、私はそのような態度は患者さんに不誠実だと思っています。
「自分の考えを患者さんに伝える。手術をするならば全身全霊、万全を尽くす。しかし、上手くいかなかった場合は、結果を正直に伝え、理由を考察する。万が一合併症が起きて、それが自分の過失によるものならば、謝罪し、責任をとる。」それだけのことです。
リスクを伴う治療を行う際には、自分の考えをしっかり言ってくれる病院で実施された方が良いと思います。
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