治療方法

薬物療法

心房細動の薬物療法 リズム調節療法か心拍調節療法か?

心房細動治療のゴールは、「症状の緩和と脳梗塞の予防」です。症状を緩和させるための薬には二種類あり、心房細動そのものを起こさいないようにするリズム調節療法薬(サンリズム、リスモダン、タンボコール、ベプリコール、アンカロン等)と、心房細動のままにしておいて、心拍数が速くならないようにする心拍調節療法薬(メインテート、テノーミン、ラニラピッド等)です。以前は、リズム調節療法の方が主流でしたが、大規模研究により、両者とも患者さんの生命予後(どの程度長生きするか)に差がないことが判明し、現在では、患者さんの症状や年齢等を考慮し、どちらの治療方法にするか、決めています。しかし、実際には、発作性心房細動にはリズム調節療法、持続性、慢性心房細動には心拍調節療法が行われるのが主流です。

血液サラサラの薬 抗凝固薬

脳梗塞を予防するために、心房細動患者さんは、CHADS2スコア(後記)が1以上の人は、血液サラサラの薬(抗凝固薬)を内服すべきです。現在、心房細動の脳梗塞予防に有効とされる薬剤は、ワルファリン、ダビガトラン、リバロキサバン、アピキサバン、エドキサバンです。ワルファリン以外の薬をDOAC(direct oral anticoagulant、直接経口抗凝固薬)と呼んでいます。

CHADS2(チャズ)スコア

うっ血性心不全 1
高血圧 1
75歳以上 1
糖尿病 1
脳梗塞の既往 2

それぞれの患者さんが、上記表の5項目の内、どれを持ち合わせているか調べます。それに該当する点数を足して、合計が1〜2点以上なら抗凝固療法を考慮します。

心房細動発作時の頓服薬の飲み方

心房細動の発作頻度は人により様々です。少ない人は、1年に1回、多い人は、ほぼ連日。発作頻度により、治療方針も変わってきます。発作頻度の少ない人に対する治療方針の一つとして、「pill in the pocket」というものがあります。直訳すると、「丸薬をポケットに」です。つまり、発作が起きたときだけ、その発作を抑える薬を内服(頓服)する方法です。

この頓服療法では、薬物の血中濃度を一気に有効域まで高めないと、発作は止まりません。そのために、1回内服量の2〜3倍の量を一度に内服するのです。奏功すると、1時間程度で心房細動発作は停止します。

頓服に使用される、代表的な抗不整脈薬を示します。ピルジカイニドは主に腎臓から排出されるので、腎臓の機能が悪い人は内服不可です。

カテーテルアブレーション

カテーテルアブレーションの原理

電気を流すと、カテーテル先端周囲の心筋が白く変性していきます。これが心筋を焼灼しているようすです。

カテーテルの先端から高周波の電流を流すと、心臓の筋肉が、直径、深さそれぞれ5〜10mm程度焼灼されます。不整脈に対するカテーテルアブレーション治療とは、不整脈の起源もしくは回路をこの方法により焼ききるということです。

心房細動カテーテルアブレーション

70人の心房細動患者さんで調べた心房細動起源の場所です。 LSPV:左上肺静脈、LIPV:左下肺静脈、RSPV:右上肺静脈、RIPV:右下肺静脈、SVC:上大静脈、RAA:右心耳、CS:冠静脈洞、FO:卵円窩、LAA:左心耳

心房細動は心房細動起源によって引き起こります。心房細動起源とは、1分間に500〜600回の高頻度で興奮する異常心筋です。心房細動アブレーションでは、この心房細動起源を見つけ出し、カテーテルを用いて焼灼します。

3次元電気解剖マッピングシステム(カルト)

左がカルト像で右がそれに対応する実際の解剖です。カルトを使用すると極めて正確な心臓の解剖情報を獲得することが可能です。

当クリニックでのカテーテルアブレーションはこの3次元装置を全例で使用します。心臓の周りに磁場を作成し、センサーの着いたカテーテルで、心臓の中をくまなくマッピングすると、心臓の中の正確な電気、解剖情報が取得可能です。

コンタクトフォースアブレーションカテーテル

このカテーテルは、アブレーションカテーテルの先端が、どの程度の強さと向きで、心筋に当たっているかが分かります。そしてまた焼灼中の抵抗値を測定することで、どの程度の深さで心筋が焼灼されているのかも分かります。コペルニクス的転回でアブレーション方法が激変し、有効性と安全性が高まりました。しかし、その有効性と安全性を極限まで高めるためには、術者の十分な知識と経験が必要です。

当クリニックでは前出の3次元画像とこのコンタクトフォースを使用してアブレーションを実施しています。

心房細動アブレーションは、脳梗塞の危険性を減らします

縦軸が脳梗塞を発症していない患者さんの数で、横軸が時間です。 参考文献 Bunch TJ, et al. Heart Rhythm. 2013;10:1272-7

心房細動アブレーションにより正常脈拍に戻ると脳梗塞発症リスクが低下することが期待されます。
繰り返しますが、心房細動の治療目標は、症状の緩和と脳梗塞の予防です。アブレーションを実施し、心房細動が治癒すると、脳梗塞の発症率は、正常脈拍の人と同程度までに低下します。右のグラフは、心房細動でアブレーションを実施した人と、していない人と、正常脈拍の人の脳梗塞発症率を比較したものです。それぞれの群の患者さんを、CHADS2スコア別で比較しています。どのCAHDS2スコアでも、アブレーションを実施していない心房細動患者さんは、経過とともに脳梗塞発症者数は上昇していきますが、心房細動アブレーションを実施した患者さんは、正常脈拍の人とほぼ同程度の発症に抑えられています。

72歳、男性、慢性心房細動患者のアブレーション前後の胸部レントゲン写真です。心臓の大きさが、アブレーション後、かなり小さくなっているのが分かります。

心房細動アブレーションを実施すると、心臓機能が改善します。

心房細動患者さんの中には、長期間の頻脈のために、心臓が疲弊し、心拡大を来し、心機能が低下している人がいます。そういう人は、少し動いただけでも、動悸や息切れを自覚し始めます。アブレーションにより心房細動が根治すると、心拡大がおさまり、心機能も改善し、症状も改善します。

0363710700

〒157-0063 東京都世田谷区粕谷3-20-1

【電車でお越しの場合】
京王線千歳烏山駅 南口より徒歩13分

【バスでお越しの場合】
京王線千歳烏山駅より京王バス [歳23] で4分、
小田急線千歳船橋駅より京王バス [歳23] で10分、
「芦花高校入口」下車すぐ

提携ホテルのご案内
診療時間
月~金 9:00~12:00、13:00~17:00
9:00~12:00
※ 受付は終了30分前までとなります
【休診日】 土曜午後・日・祝・年末年始
日祝
午前
9:00〜12:00
-
午後
13:00〜17:00
- -
お問い合わせはこちら