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【THR通信】うがい薬と心房細動(2021年6月号)

お知らせ

【THR通信】うがい薬と心房細動(2021年6月号)

昨年起きたことです。「うがいをしすぎて心房細動を発症した患者」が来院されました。主訴は動悸です。心電図は心房細動で、血液検査をすると、甲状腺ホルモンが異常に上昇しています。バセドウ病を疑い検査してみると、そうではない。生活習慣を伺うと、「コロナ感染が怖いので、毎日イソジン液でうがいをしていた」というのです。

去年の夏、大阪府都知事が「ポビドンヨードのうがい薬をすることで、このコロナに打ち勝てると思っている」と発表されました。それを真に受けて毎日うがいを続けていたそうです。

ヨードは甲状腺ホルモンの材料で、取りすぎると、甲状腺機能亢進症をきたすことがあります。ヨード誘発性甲状腺機能亢進症です。甲状腺機能亢進症の10〜20%に心房細動を合併します。その6割は甲状腺機能亢進症が改善すると、元の脈に戻りますが、約4割は慢性心房細動に移行してしまいます。その状態になると、ここでも色々書いていますが、さまざまな問題を引き起こします。

ポピドンヨード(イソジン)うがい液は、口腔や咽頭で、細菌、ウイルスに感染している人には有効です。しかし、毎日実施することでそれらの感染予防ができるというエビデンスはありません。健康に対する過度なケアが却って不健康な状態にすることもあるので要注意です。

院長:桑原 大志

※毎週:「木曜」と「金曜」と「土曜午前」で外来診療中