【THR通信】「抜歯」や「胃カメラ」の時に抗凝固薬は止めたほうがよいのか?(2021年4月号)
多くの方が心房細動に対して抗凝固薬を内服されています。
外来の診察時に、
「抜歯をするので抗凝固薬はいつから中止ですか?」
「抗凝固薬を内服していますが、胃カメラを受けても大丈夫ですか?」
と「抜歯」や「内視鏡検査」の際の休薬についての質問がよくあります。
心房細動に対して使用する抗凝固薬は
ワルファリンとDOAC(直接阻害型経口抗凝固薬)と2種類あります。
抜歯時にワルファリンを休薬した場合は約1%に重篤な脳梗塞を発症したと報告されており、
至適治療域に管理されていればワルファリンは内服継続が望ましいです。
DOACの場合でも抜歯など出血が低リスクの場合は継続するよう推奨されています。
また、出血高リスクの内視鏡処置時には休薬が必要ですが、
内視鏡による観察のみであればワルファリンもDOACも内服したまま可能です。
手技による出血リスクもありますが、抗凝固薬を一時休薬するにあたり
一定の血栓塞栓症発症リスクが生じます。
血栓塞栓症リスクや使用している抗凝固薬の種類によって休薬の必要性を
考慮する必要がありますのでご相談ください。
また、抜歯や内視鏡検査でも出血リスクが高く休薬を要するケースもあるため、
必ず担当の先生へ確認してください。
髙𣘺 健太
※髙𣘺Dr外来/毎週月曜(午前と午後)・火曜午前・水曜午前